LCCでは、機内持ち込み手荷物のサイズや重さなどの規定が、会社ごとに細かく決められている。この記事では日本に乗り入れているLCC23社(国内線・国際線)について、機内持ち込みができる手荷物の条件を一覧にした。
LCCではエコノミークラスの場合、7kg以内、または10kg以内の荷物を無料で機内に持ち込めるが、それ以上の重さになると、手数料を払って荷物を預けることになる。
例えばピーチの場合、東京-沖縄のエコノミークラスのチケットは、最安値だと片道5,000円台で購入できるが、預け入れ荷物の料金は片道1,800円、往復だと3,600円もかかってしまう。
せっかく安い金額で航空券を購入するのだから、高い手数料を払って荷物を預けることはできるだけ避けたい。
しかしピーチのように、無料で持ち込める手荷物が7kgまでの場合、スーツケース自体が重いと、すぐに7kgを超過してしまう。
そこで記事の後半では、LCC対応サイズのスーツケースやバッグの中で、超軽量、2kg以下のおすすめをタイプ別に紹介した。
サイズオーバー、特に重量制限オーバーは追加料金の対象となり、空港で思わぬ高額を請求されることもあるので、各LCCの規定を守って手荷物をまとめるようにしよう。
目次
LCC機内持ち込みサイズと重さ
LCCではエコノミークラスの場合、機内持ち込み手荷物は、高さA+幅B+奥行Cの合計が115cm以内となっている。115㎝以内ならどんな形状でもOKというわけではなく、航空会社ごとにABCそれぞれのの最大サイズも定められてる。
微妙に異なる最大サイズ
最も一般的なのは、エアアジアなどが採用している56×36×23(高さ56センチ以内、幅36センチ以内、奥行23センチ以内)というサイズだ。韓国のLCCは55×40×20というサイズが多い。
タイライオンエアだけが、3辺の合計が90cmで、他のLCCと比較してひとまわり小さい。
重さの制限はすべてのLCCが10kg以内、あるいは7kg以内となっている。
航空会社 | A×B×C |
重さ |
Group 1 | ||
エアアジア | 56×36×23 | 7kg |
スプリングジャパン (旧・春秋航空) |
56×36×23 | 7kg |
ジェットスター | 56×36×23 | 7kg |
セブパシフィック | 56×36×23 | 7kg |
ベトジェット | 56×36×23 | 7kg |
香港エクスプレス | 56×36×23 | 7kg |
マリンドエア | 56×36×23 | 7kg |
Group 2 | ||
エアソウル | 55×40×20 | 10kg |
エアプサン | 55×40×20 | 10kg |
ジンエアー | 55×40×20 | 10kg |
タイガーエア台湾 | 55×40×20 | 10kg |
チェジュ航空 | 55×40×20 | 10kg |
ティーウェイ航空 | 55×40×20 | 10kg |
Group 3 | ||
スクート | 54×38×23 | 10kg |
ノックスクート | 54×38×23 | 7kg |
Group 4 | ||
エアドゥ | 55×40×25 | 10kg |
スカイマーク | 55×40×25 | 10kg |
スターフライヤー | 55×40×25 | 10kg |
ソラシドエア | 55×40×25 | 10kg |
その他 | ||
ピーチ | 50×40×25 | 7kg |
ジップエアー | ①50×40×25 ②35×45×25 |
7kg |
※合計2個持込OK | ||
イースター航空 | 50×35×30 | 7kg |
タイライオンエア | 40×30×20 | 7kg |
ハンドバッグやパソコン
ケースの規定にも注意
最大サイズは外寸が対象なので、スーツケースのポケットやハンドル、キャスター部分も含まれる。ハンドルを引き出すタイプの場合は、引き出した状態ではなく、収納されている状態で計ったサイズだ。
Amazonなどでは、「本体サイズ」として内寸が表示されている場合が多いので要注意。このサイトでは、サイズはすべて外寸を表示している。
スーツケースの他に小さなバッグやパソコンケースなども一緒に機内持ち込み可能だが、航空会社によって条件が異なるので注意しよう。規定の重量内で収めなくてはいけない航空会社と、規定の重量にプラスして持ち込める航空会社の2つのタイプがある。
LCC対応サイズ
2kg以下のスーツケース
どんなタイプを選ぶべきか
機内持ち込みの重量制限が10kgならまだいいが、7kgの場合は、超軽量スーツケースでないと何も詰められない。デザインや耐久性より軽さが最優先だ。
2kg以下のスーツケースは、布製のソフトタイプ(ソフトキャリー)が主流だ。ハードタイプだと、どうしても2.5kg以上になってしまう。
ソフトタイプは衝撃を吸収するので、ぶつけてもへこむことがないし、外側にポケットが付いていて小さな持ち物を出し入れしやすい。それに、ホテルで荷物を出す時にも、ソフトタイプの方が広げやすい。
スーツケースのキャスターは、2輪より4輪の方が操作性が良いのでおすすめだ。4輪なら前後・左右、好きな方向に荷物を移動させることができる。
一方2輪は、斜めにした状態で一定方向にしか移動できない。ただし電車の揺れでスーツケースが勝手に動いたりする心配はないし、4輪より軽めのスーツケースが多い。
以前、3,000円程度で売られていた2輪のショッピングカートを旅行用に使ったことがあるが、ショッピングカートは自立せず不便なので、おすすめしない。
バックパックやデイパックはスーツケースに比べると軽量なものが多いので、LCCを利用する際には特におすすめだ。キャスターが付いている3wayタイプもたくさんの種類がある。
4輪ソフトキャリー
機内持ち込み用として、最もおすすめするタイプ。外部ポケットも複数あって使いやすく、値段も13,000円前後と手ごろなスーツケースが多い。
①LEGEND WALKER SOFT CASE 4043-49 |
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サイズ | 重さ | 容量 | キャスター |
55×34×22 | 2.0kg | 28L | 4輪 |
定価:15,180円(税込) ブラック/ネイビー/シルバーグレー Group1・3・4適合サイズ |
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②HIDEO WAKAMATSU フライ2 | |||
55×35×22 | 1.9kg | 26L | 4輪 |
定価:15,400円(税込) ブラック/ネイビー Group1・4適合サイズ |
4輪ハードタイプ
ハードタイプにしては驚異的な軽さのスーツケースをピックアップした。しかも容量が30L以上。
③④は、身長に合わせてキャリーハンドルの高さが調節できる点が特長で、TSAロックも付いている。開閉部はファスナー。④はダブルキャスターで、車輪が8つ付いていて走行性が高い。
⑤のロンカートは、イタリア製スーツケースらしい洗練されたデザイン。BMWやフォルクスワーゲンのデザインにも携わった工業デザイナーが手掛けたものだ。2層構造のファスナー、安定性のある55mmのホイール(キャスター)、ハンドルの高さ調整付きで、10年間の保証も付く優れた商品だ。
③LEGEND WALKER BLADE 5603-48 |
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サイズ | 重さ | 容量 | キャスター |
54×36×23 | 1.9kg | 35L | 4輪 |
定価:21,780円(税込) ブラックカーボン/シルバーカーボン/ホワイトカーボン Group1・3・4適合サイズ |
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④LEGEND WALKER AIR ONE 6030-47 |
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53×34×21 | 1.9kg | 30L | 8輪 |
定価:32,780円(税込) ブラックカーボン/シルバーカーボン/ホワイトカーボン Group1・3・4適合サイズ |
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⑤RONCATO WE ARE |
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55×40×20 | 2.0kg | 37L | 4輪 |
定価:59,400円(税込) ブラック/ホワイト/シルバー/ブルー Group2・4適合サイズ |
2輪ソフトキャリー
⑥⑦は折りたためるのが特長。使わない時はコンパクトに収納したいという人向けの商品だ。
⑥VALENTINO VISCANI 折りたたみ2輪トロリー |
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サイズ | 重さ | 容量 | キャスター |
49×34×21 | 1.9kg | 30L | 2輪 |
定価:約6,940円(税込) ブラック/ネイビー/レッド Group1・3・4、ピーチ、ジップエア―、イースター航空適合サイズ |
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⑦GRIFFIN LAND 折りたたみスーツケース |
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51×36×19 | 2.0kg | 33L | 2輪 |
定価:9,072円(税込) ブルー/グレー/レッド/ライトレッド/パープル/ブルー Group1・2・3・4適合サイズ |
2way、3wayキャリー
⑧デイパックキャリー24は、ソフトキャリーとして転がす、キャスターを収納して背負う(あるいは肩にかける)という2way。
⑨トロリーバッグ3wayは、転がす、背負うに加え、ポケット部分が着脱式の小型デイパックになっている。
⑩ソフトキャリーバッグ3wayは、転がす、背負う、手にさげるの3wayだ。
⑧SOLO-TOURIST デイパックキャリー24 |
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サイズ | 重さ | 容量 | キャスター |
50×31×16 | 1.6kg | 24L | 2輪 |
定価:12,100円(税込) ブラック/ライトグレー(シルバーフレーム) /ワイン タイライオンエア以外の22社に適合 |
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⑨GULLWING トロリーバッグ 3way |
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50×34×19 | 1.9kg | 27L | 2輪 |
定価:5,724円(税込) ブラック/ネイビー/レッド タイライオンエア以外の22社に適合 ファスナーを開きマチを19cmから25cmに拡張可能(拡張時の容量は36L) デイパック部分:サイズ40×27×5 容量7L |
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⑩ BLAZER CLUB ソフトキャリーバッグ 3way |
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52×35×21 | 1.7kg | 46L | 2輪 |
定価:6,804円(税込) ブラック/グレー Group1・3・4適合サイズ |
大容量バックパック
⑪cabin zeroはイギリス発のブランド。名前のとおりキャビン(航空機)に持ち込むことを前提に考えられたバッグだ。荷物が少量の時は、ベルトでバッグの幅を調整できるようになっている。
ロストバゲージ防止機能付き。容量は36Lの他に28L、44Lがある。
⑪cabin zero classic 36L |
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サイズ | 重さ | 容量 | キャスター |
45×31×20 | 700g | 36L | なし |
定価:8,100円(税込) ブラック/ネイビー/オレンジチル/グレー タイライオンエア以外の23社に適合 |
まとめ
せっかくLCCで格安チケットを買ったのだから、余計な出費は控えようと、これまでは普段使いのバッグを機内持ち込み用に使っていた。
とはいえ、これからもLCCを頻繁に利用するのだから、初期投資は必要と考え、奮発して昨年、LCC機内持ち込み専用のソフトキャリーを買った。
結果、めいっぱい荷物を詰め込むことができ、預け入れ荷物の手数料を払わずに済んだフライトが2回。スーツケース代の元は充分に取れた。
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