ミュージカルの楽しみ方:共感力がいちばん大切

ミュージカルを楽しもう

突然歌い出すのが不自然……わざとらしくて楽しめない……ストーリーが単純……。そんな理由でミュージカルが苦手だったり面白くないという人は結構いる。

そういう人の気持ちは良くわかる。舞台によっては、私も同じような感想を持つことがあるからだ。でも、いくつも舞台を観ているうちに、ミュージカルの楽しみ方が段々わかってきた。

物語はあなたを置いて
どんどん進んでいく

もし誰かに誘われて、あまり乗り気じゃないけどミュージカルを観に行くことになったという人は、覚えておいてほしいことがある。

どんなミュージカルを見る時も…

  • 男と女は目と目が合っただけで恋に落ちる。しかも命がけの!
  • ミュージカルはテレビドラマや映画じゃなくて生の舞台!だから積極的に楽しむ気持ちが不可欠

あるミュージカルの一場面。

ダンスパーティの会場。フロアを隔てて離れて立つ見知らぬ同士の男と女。ふと二人の目が合う。スポットライトに照らし出される二人の姿。

この瞬間、二人は恋に落ちるのである。それは運命の出会いであり、自分の命を捧げても惜しくないほどの愛へとまっしぐらに進んでいく。

ミュージカルでは、こうした象徴的なシーンに歌やダンスが加わり、物語が展開される。

ミュージカルが苦手という人は、たぶんこうしたシーンで、登場人物に感情移入できないのだと思う。

だって、ただ目が合っただけじゃない!しかも、なんですぐに相手のことを自分の命より大切だって思えるの?!

あなたが一度そう感じてしまったら、舞台の上で繰り広げられる熱い恋の歌も、歓喜のダンスも、あなたを白けさせるだけだ。

いちばん大切なのは
共感しようとする気持ち

恋に落ちるという設定に限らず、例えば憎しみ、対立といった設定も、「そうなんだ、そんなに憎いんだね」「どっちも譲らない大変な対立関係だな」というように、共感する気持ちを持って観ていると、スッと物語の世界に入っていけたりする。

批判的なスタンスはやめて、物語の展開に自分から乗っていった方がいい。恋愛もののミュージカルなら、恋に落ちるというスタート地点で乗り遅れると、その後二人が家族を裏切り、死を覚悟し……といった後半の展開に気持ちがついていかない。

もちろん演出や俳優の演技力が、有無を言わせぬ力で観客を物語の世界に引っ張り込んでくれればいいのだが、観る側の共感力もあったほうがいいと思う。

そうすればきっと、ミュージカルというエンターテインメントの持つ魅力を存分に味わうことができるはずだ。