エクスペディアは本当に安いのか：航空券＋ホテル予約の値段を検証

以前は、「航空券＋ホテル同時予約でホテル代が最大全額OFF」あるいは「航空券を購入した人だけホテルが最大50%OFF」がセールストークだったエクスペディア。

最近は「航空券＋宿泊のパッケージ割引」と、「超目玉セール」を売りにしているが、割引率はどの程度なのか、サイトを見ただけではよくわからない。

この記事では、エクスペディアで航空券やホテルを予約すると、具体的にどれくらい安くなるのか、他の旅行予約サイトより安いのか、高いのか、この点について実際の料金を比較して検証した。

エクスペディアとは

エクスペディアは、オンライン販売を行っている旅行会社だ。本社はアメリカ。取り扱っている商品は航空券、ホテル、現地ツアー、レンタカーなど。

ホテル予約、航空券予約が2本の柱

エクスペディアのサービスの2本柱は、ホテル予約と航空券予約だ。旅行先、日付、人数などの条件を入力して検索すると、希望に合ったホテルや航空券が表示され、予約・購入することができる。

航空券とホテルの両方をエクスペディアで予約すると、割引の料金が適用される、つまり安くなる、というのがエクスペディアの売りだ。

航空券は安い

航空券の予約サイトは色々あるが、エアトリやスカイチケットなどに比べると、エクスペディアの方が安いことが多いので、利用価値はある。

それでは、ホテルも一緒に予約するべきか。ここから先はそれを検証してみる。

そもそもホテル代は安いのか

エクスペディアで提示されているホテルの料金は、他の旅行サイトと比べて安いのか。まず最初に、ホテル料金そのものを検証してみた。

東京・新宿
宿泊料金を比較

エクスペディアと、旅行予約サイト「agoda」の宿泊料金を比較した結果、新宿の4つ星、5つ星ホテルでは、7軒中、エクスペディアが安かったのは1軒だけだった。5軒はagodaの方が安く、1軒は同額だった。

ハワイ・ホノルル
宿泊料金を比較

エクスペディアとagodaの宿泊料金を比較した結果、ホノルルの4つ星、5つ星ホテルでは、14軒中、エクスペディアが安かったのは6軒だった。8軒はagodaの方が安かった。

タイ・バンコク
宿泊料金を比較

エクスペディアとagodaの宿泊料金を比較した結果、バンコクの5つ星ホテルでは、8軒中、エクスペディアが安かったのは2軒で、残り6軒はagodaの方が安かった。

結果は

ホテルの料金は検索する時期によって大きく変わるので絶対的なことは言えないが、上の検証結果から考えると、全体としてホテル代はエクスペディアよりagodaの方が安く、日本では金額の差が大きいと言えるだろう。

航空券＋ホテル同時予約の
割引率は

航空券と宿泊を同時予約すると、料金が割引になる「パッケージ割引」だが、エクスペディアのホームページには、いくら割引になるのかが書かれていない。

実際、どの程度割引になるかは、予約画面に進まないとわからないようになっている。

最大6.1%OFF

エクスペディアで航空券だけを予約しようとすると、予約の途中で、同時予約を勧める下のような画面が表示されることがある。いつでも表示されるわけではなく、どんな条件（地域や日付）で現れるのか、規則がつかめない。

ここに書かれているとおりだとすれば、航空券とホテルの同時予約の割引は最大6.1%で、同時予約による割引が適用されない場合もあるということだ。

6.1%OFFを検証

さっそく、本当に割引率の最大が6.1％なのか、検証してみた。検証方法は、同時予約の金額と、個別に予約した場合の金額を比べる、という単純なもので、これを複数の都市やホテルで試してみた。

結果、割引率は、宿泊日や宿泊場所によって異なったが、最大7.5％の割引が適用される場合もあったので、6.1％以上は割り引かれない、というわけではなさそうだ。

ただし、予約画面の偽りを発見。

上の画面は、伊丹－羽田の航空券2名分と、新宿のホテル1泊（2名1室利用）を予約した時に表示された金額だ。パッケージ割引が－￥5,045となっている。つまり「航空券とホテルを別々に予約するより、5,045円お得になっていますよ」ということだ。

しかし、実際には、航空券とホテルを別々に予約した場合との差額は3,397円だった。

超目玉セールはどうか

エクスペディアの航空券＋ホテル同時予約では、まずホテルを選び、次に航空券を選ぶようになっている。

2022年2月の、バンコクのホテルを検索してみると、検索結果には「超目玉セール」のホテルが５つ表示された。超目玉セールとは「合計割引額が航空券の料金または 1 泊以上の宿泊料金を超えるセールのことです」と説明されている。

少しわかりづらい言い回しなので、簡単に言うと下のようになる。

合計割引金額が航空券の料金を超えるセール
＝航空券代がタダになる

合計割引金額が1泊以上の宿泊料金を超えるセール
＝ホテル代1泊分がタダになる

超目玉セールのホテルを選ぶと、かなり割引の旅行金額（航空券＋ホテル代の合計額）が表示されたが、それより「航空券はエアアジアで、ホテルはagodaで予約」という組み合わせの方が安くなった。

2022年2月に成田－バンコクの往復航空券と、ホテル1泊分を予約した場合
航空会社：エアアジア　ホテル：Hotel Verve

全体的に料金が高め

次に、エクスペディアで検索した2022年2月のバンコクのホテルを料金が安い順に並び替えてみた。最安値は航空券＋ホテルが、1泊42,416円だった。この42,416円から、調べておいた成田－バンコク間の最安値の航空券代40,093円を引くと、2,323円になる。

つまり、エクスペディアに掲載されている最安値のホテルの宿泊代は、2,323円程度だと推測できる。

agodaでも同じ日程でバンコクのホテルを検索したところ、agodaの最安値のホテルは1泊755円だった。エクスペディアが2,323円と値段を付けていたホテルは795円だった。

アドオンは廃止

以前エクスペディアでは、航空券だけを予約して、後からホテルを追加予約しても、割引が適用されるようになっていた。アドオンという名前のサービスで、「航空券を購入した人だけホテルが最大50%OFF」というのがキャッチフレーズだ。

しかし、いつの間にかアドオンの文字はホームページから消えているので、このサービスはなくなったようだ。

ここを頑張ってほしい

選べるホテルが少ない

エクスペディアは、ホテル予約サイトのagoda（アゴダ）やBooking.com（ブッキングドットコム）に比べると、選べるホテルの数がもともと少ない。

提携宿泊施設は、エクスペディアが世界50万軒、agodaやBooking.comは200万軒で、この差は大きい。やっぱりホテルは、たくさんの中から選びたい。

総額いくらになるか
わかりにくい

ホテルを検索する時、agodaやBooking.comでは、税金・サービス料込みの料金を表示できる。

一方、エクスペディアは、税・サービス料込みの料金は、目を凝らして見ないとわからないほど小さくしか表示されない。モバイルはまだしもPＣだととても見づらい。

子供の宿泊料金が最後に
追加されることがある

添い寝をする小さな子供は問題ないが、専用ベッドが必要な大きな子供の場合、エクスペディアはとても使いにくい。

たとえば検索条件に大人2人、子供（12歳）と入れて検索したとする。予算内で気に入ったホテルを選び、予約ボタンを押すと、突然「追加ゲスト料金」というのが加算されているのだ。

これは、子供用にエキストラベッドを使用する場合の料金なのだが、最後に「予約する」というボタンを押すまでは、その金額がわからない。

駅からの距離がわからない

ホテルの近くに地下鉄や鉄道の駅があるかは、宿泊先を決める際に、とても必要な情報だ。地下鉄の駅まで歩ける近さなのか、タクシーを使う必要があるのか。

エクスペディアでは、ホテルの説明に、観光スポットまでの距離は書かれているが、地下鉄や鉄道の駅までの距離は記載されていない。

その点アゴダの場合は、徒歩圏内に駅がある場合、〇〇駅まで260mというように書かれていて、とても便利だ。

まとめ

旅行の予約サイトは、独自の表記方法、独自のルールなどがあり、どれも慣れるまではとても使いづらい。アプリを使うと安くなるのか、会員としてログインした方が安くなるのか、クーポンはどうやって手に入れるのか…。攻略するのはかなり大変だ。

その上、エクスペディアでは「この施設を閲覧している人が他に何人います」「完売する前にご予約ください」などと急き立てられ、落ち着いてじっくりホテルを選んでいられない。まあ、他のホテル予約サイトも似たり寄ったりだが。

いろいろと自分なりに検証した結果、値段の安さ、ホテル情報の見やすさの点ではagodaが勝っていると思うが、検証のタイミングによっては、違う結果が出る可能性はある。

加えて、旅行関連のサイトはどこも進化し続けているので、エクスペディアの今後に期待。

»エクスペディアで最新セールをチェックする
»agodaでホテル料金をチェックする

関連記事　ZIPAIRでハワイ、アメリカ西海岸、アジアへ