タイピング初心者なら、誰もが考えること。最も少ない練習時間で、速く正確にタイピングができるようになりたい。この希望を実現するのが、この記事の目的だ。練習時間は1日10分×6週間。到達目標はブラインドタッチ(タッチタイピング)だ。
簡単に説明すると、世界の2,300万人以上の学生が使っている効率的な練習方法で、短期間で英語タイピングを習得し、そのあとで、ローマ字入力による日本語タイピングをマスターするという方法だ。
目次
考え抜かれた練習方法
今のキーボード配列が考え出されたのは100年以上も前のこと。それ以来、欧米ではタイピングのテクニック、タッチタイピングの習得方法、教育方法について様々な試行錯誤が重ねられてきた。
効率の良いメソッドが開発され、更に改良が加えられ、今ではタイピングの教育方法が確立している。そのため初心者でもすぐにタッチタイピングまでたどり着けるようになっている。
ポジションを覚えるまで
単語入力はしない
下の画像は、アメリカのタイピング練習サイトのレッスン内容だ。dd kk dk dkというようにアルファベットを打っていく。
欧米スタイルのタイピングレッスンでは、指のポジションを完全に覚え、見ないでも打てるようになるまで、このような地味な練習をひたすら続ける。
単語を入力するようになるのは、アルファベットのポジションを覚えた後だ。
一方、日本では、指のポジションをしっかり覚えないうちからローマ字入力でのタイピングを行い、食べ物や国の名前などを入力していく、という練習方法を採用している本やサイトがなぜか多い。
この練習方法はかなりの回り道で、タイピングテクニックや練習方法の開発で培われた100年の知恵を放棄している感じだ。
タイピングが速いとは?
タイピングがなかなか上達しないと感じている人は、まず、タイピングについての基本的な考え方を理解しておこう。
「ローマ字入力が速い」と
「タイピングが速い」は違う
ローマ字入力でタイピングをする時は、以下のような動作が必要だ。
- ローマ字を入力する
- スペースキーでかな・漢字に変換する
- 変換候補を選びエンターキーで確定する
- 入力した文字が間違っていたらバックスペースキーやデリートキーで削除する
この一連の動作を素早くできることが、タイピングが速いということになる。当たり前のことだが、「タイピングが速い」と「ローマ字を入力するのが速い」はイコールではない。
英語タイピングでも、ローマ字入力と同じような動作が必要だ。
- 単語を入力する
- 単語と単語の間にはスペースキーでスペースを入力する
- エンターキーで改行する
- 入力した文字が間違っていたらバックスペースキーやデリートキーで削除する
英語タイピングの場合も、「単語の入力が速い」と「タイピングが速い」はイコールではない。
練習サイトは万能ではない
ネットで検索すると、e-typingなど、タイピング練習のサイトをたくさん見つけることができる。腕試しができたり、色々なテーマの言葉で練習ができたりと楽しいので、何度もチャレンジして、これで練習すれば大丈夫、と思ってしまう。
実際、私もe-typingにアクセスすると、つい、何度も腕試しをしてベストスコアを出そうと躍起になってしまう。
しかし、こうしたサイトで練習できるのは、日本語タイピングの場合、ローマ字を入力する練習だけだ。変換、確定、削除といった、タイピングに必要な一連の動作を含めた練習、つまりタイピングの練習はできない。
練習しているのに上達しない理由
せっかくタイピングの練習を始めても、上達までに時間がかかる人がいる。そういう人は、こんな方法で練習をしている場合が多い。
- タイピング練習サイトで、キーの場所をだいたい覚える
- その段階で、すぐにローマ字入力の練習をスタートする
- 腕試しやタイピングゲームは楽しいので、よく練習するようになる
何カ月も練習したのに
- 入力ミスが多い
- 自己流の指づかいで打ってしまう
- なかなか仕事で使える速さで打てるようにならない
もちろん個人差があり、練習に割ける時間も人それぞれだが、タイピング習得の目安は、1カ月半から2カ月程度だと考えておこう。
最短の練習方法
途中で伸び悩んだりしない、効率の良い練習方法とは、次の3ステップをしっかり分けて、順番どおりに練習していく方法だ。
- 英語タイピングでタッチタイピングを習得する
- タイピングに適したローマ字を覚える
- ローマ字入力でタッチタイピングを習得する
なぜこの3ステップで練習すべきなのか、簡単に説明していこう。
ひとつずつ習得する方が簡単で早い
最初に英語タイピングをマスターする理由は、英語タイピングなら、アルファベットのキーの位置を覚えることに神経を集中できるからだ。
タイピングを始めたばかりの初心者がローマ字入力をすると
● キーの位置を覚える
● ローマ字表記を思い出す
● ローマ字を変換して確定する
という3つのことに注意が分散してしまう。だから、まず英語タイピングでキーの位置を完全に覚えて、ローマ字入力は次のステップにした方がいい。
日本語タイピングでは、「ローマ字で入力した単語をかなと漢字に変換する」という特有の動作も必要で、タイピング初心者がいきなりチャレンジするにはハードルが高い。
一方、記事の冒頭でも書いたように、英語タイピングには考え抜かれたメソッドが存在するので、すぐにキーの位置を覚えて、タッチタイピングまでマスターすることができる。
英語タイピングでタッチタイピングができるようになれば、あとほんの少しの努力でローマ字のタッチタイピングまでたどり着ける。
数字で表すと、ステップ1に費やす時間と努力が70%、ステップ2が15%、ステップ3が15%といった感じだ。
英語タイピングの習得方法
英語タイピングの練習サイトは無数にあるが、最も優れた練習方法を採用していて、日本語にも対応しているサイトで練習しよう。
TypingClub を選ぼう
レッスン時間は1日10分×4週間が目安
世界の2,300万人の学生、5万以上の学校とコミュニティ、30万人以上の教師に使われているのが、TypingClub(タイピングクラブ)というタイピング練習サイトだ。おすすめの理由は3つ。
- 最も効率の良い練習方法を採用
- レッスンメニューは684もあり、飽きずに続けられ、しかも無料
- 練習結果を指ごと、キーごとなど細かく分析してくれる
世界中の人がこのサイトで練習をしているので、ぜひ使ってみよう。もちろん日本語にも対応している。
TypingClub の日本語化の方法や使い方をまとめた記事があるので、この記事とセットで読めば、すぐにレッスンをスタートできる。
ブラインドタッチができない:その悩みはTypingClubが解決タイピングに適したローマ字とは
ローマ字には訓令式、ヘボン式、日本式という3種類の表記方法があるが、今、学校で習うのは訓令式だ。一方、街で見る看板などにはヘボン式が使われていることが多い。
もし使い慣れている表記方法があるなら、それを使えばいいが、特にこだわりがないなら訓令式とヘボン式が混ざった、タイピングに適したローマ字を覚えよう。
入力するキーの数が少ない、左右の指を使う、指の基本ポジションに近いというローマ字が、タイピングには適している。これを一覧表にしたので、必要な人は参考にしてほしい。
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タイピングが速くなるローマ字を使おう
レッスン時間は1日10分×1週間が目安
- まず、ローマ字表を見ながら「あいうえお」から順番に入力してみよう。
- 入力しにくい文字があったら、別の表記がないか探してみる。例えば「ちゃ」はTYA、CHAどちらでもいいので、打ちやすい方を使おう。
- イータイピングや寿司打など、タイピング練習サイトを使ってもいい。ローマ字を覚える目的なら、変換・確定・削除の練習ができないサイトでも大丈夫だ。
- 自分が打ちやすい表記をまとめて、自分専用のローマ字表を作ってみよう。
エアタイピングでも練習できる
ステップ2まで終われば、最終目標まであと少し。もう練習サイトやアプリ、教本などに頼らなくても、自分で練習ができる。
タッチタイピング完成!
レッスン時間は1日10分×1週間が目安
- 雑誌や書類などの文章をタイピングしてみよう。
- 自分の考えを、そのままタイピングで文章にしてみよう。
- パソコンがない時には、エアタイピングで練習してみよう。キーボードが手元にあるつもりで指を動かし、頭に浮かんだ言葉や文章をタイピングしてみる。忙しい人には特におすすめだ。
指先は絶対に見ない、というルールだけを守って練習を続ければ、あっという間にローマ字でのタッチタイピングも完成する。
まとめ
時間を無駄にしたくない初心者の人は、ぜひ、この練習方法にチャレンジしてみてほしい。タッチタイピングの技能は、あなたの未来を切り開く!
TypingClubの使い方、日本語への切り替え方法をわかりやすく解説した記事はこちら↓
ブラインドタッチができない:その悩みはTypingClubが解決