エアアジア(AirAsia)の航空券は、セールなどで購入すれば諸税・サーチャージ込みで1万円台ということもあり、驚くような安さだ。通常でも片道2~3万円台で手に入るチケットが多い。
しかしこの金額は、あくまでも航空券代だ。エアアジアでは航空券代のほかに、以下のような手数料が必要になってくる。
①荷物を預けるための手数料
②座席指定のための手数料
③支払い手数料(クレジットカードなどで航空券代を支払う時にかかる料金)
④機内食の手数料
この記事では、エアアジアの①②③の手数料について、予約の際の注意点と、どうすれば安く抑えられるかについて、わかりやすく解説した。
目次
予約の前に手数料を把握しよう
行先が決まったら、予約をする前に、まずAirAsiaの料金および手数料のページを開いて、自分のフライトに関する手数料を確認しよう。
今回は成田からタイのプーケットまでのチケットを購入すると仮定して調べてみた。成田からプーケットへは直行便がないので、バンコク経由で行くことになる。そこでまずは、東京–バンコク間の手数料を調べる。
- 出発地 東京・成田(NRT)を選ぶ
- 到着地 バンコク-ドンムアン空港(DMK)を選ぶ
- 検索する ボタンをクリック
すると、指定した区間の預け入れ荷物の料金、座席指定の料金、支払い手数料などが表示される。
料金および手数料のページの表示方法
デスクトップ
エアアジアのトップページ→画面の下の方にある旅行情報の中から、料金および手数料をクリック
モバイル
現在、モバイルからは「料金および手数料のページ」にはアクセスできない。つまり、荷物の料金などが調べられないのだ。
そこで、エアアジアの日本発着の国際線(ホノルル、バンコク、クアラルンプール、台北、マニラ行き)の荷物の料金をすべて調べて一覧表にした。
エアアジア・荷物の料金:機内持ち込みと預け入れ荷物(受託手荷物)手荷物の手数料
荷物のルール
荷物には2種類ある。1つは機内持ち込み手荷物。もう1つは預け入れ荷物(受託手荷物)。
エアアジアの機内持ち込み手荷物は1人7kgまでで、これは無料。
預け入れ荷物(受託手荷物)はすべて有料だ。
機内には大小2つまで手荷物を持ち込める。
大は56cm×36cm×23cmを超えないもの。
小は40cm×30cm×10cmを超えないもの。
海外旅行となると持ち物も多いし、帰りはお土産で荷物が増える可能性もあるので、1人7kgは私の経験上、少しキツい。
家庭の体重計で大きな
荷物の重さを計る方法
1 自分の体重を計る
2 スーツケースを手に持った状態で体重計に乗り、体重を計る
3 自分の体重を2の重さから引く
便利な方法だが、多少の誤差は考慮したほうがいいと思う。
どうしても荷物を7kg以内におさえたい場合は、超軽量スーツケースを選ぶといい。下の記事では、2kg以下で機内持ち込みサイズのスーツケースを紹介している。
LCC機内持ち込みサイズ:23社の一覧とおすすめ超軽量スーツケース重さ・行先・乗継の
有無で変わる荷物の料金
「AirAsiaの料金および手数料のページ」で検索した結果を見てみよう。
一番上に受託手荷物(最初の予約中)(1名様・1区間ごと)と書かれている。受託手荷物とは、空港のチェックインカウンターで預ける荷物のことだ。20kg以下が4,100円となっている。
「1区間ごと」となっているので、片道分の金額が4,100円。つまり往復だと手荷物の料金が8,200円になる。1人20kgは、一般的な航空会社なら、たとえ格安航空券であっても無料の場合が多い。
プーケットまで行く場合には、この料金に更に、バンコク–プーケット間の手数料が加算されることになる。
手荷物はシェアできる
受託手荷物の欄には手数料が「1名様ごと」と書いてあるが、チェックインカウンターで家族全員が一緒に荷物を預けるなら、申し込んだキロ数分を家族でシェアできる。
例えば夫の荷物が8kg、妻は7kg、子供は5kgだった場合、代表で誰かが20kgの受託手荷物の申し込みをしておけば、あとの2人は申し込み不要だ。
早く申し込めば安い
受託手荷物の欄を見ると、申し込むタイミングによって料金が異なることがわかる。成田–バンコクの片道で、荷物が20kgの場合だと
1.最初の予約中4,100円
2.最初の予約後4,700円
3.空港カウンター10,000円
*3は最高15kgまでの制限あり
1.最初の予約中とは、まさにチケットの予約をしている時のことだ。出発地、到着地、時間(便)を選んだ後に、受託手荷物の申し込みも同時に済ませてしまう。
最初に予約をする時というのは、旅行の数カ月前という場合も多い。そんな時に荷物の重さ、しかも家族旅行の場合など、全員分の重さを決めるのは難しいかもしれない。
しかし、行く場所にもよるが、これで手数料が数千円は安くなる。他の家族には嫌がられるかもしれないが、頑張って協力してもらおう。
2.最初の予約後とは、すでにチケットの予約を済ませてしまい、後から受託手荷物の申し込みをする場合だ。
3.空港カウンターとは、事前に受託手荷物を申し込まず、出発当日に空港カウンターで料金を支払う場合。最も割高な上に、一人につき最高15kgまでしか申し込めない。受託手荷物はぜったい事前に申し込んでおこう。
事前申込をしても、当日空港で重さを計ったら超過していた、という場合には、1kg当たり2,200円も取られるので要注意。
座席指定の料金
エアアジアでは座席指定にも料金がかかる。これも受託手荷物と同じで①最初の予約中②最初の予約後③空港カウンターというように申し込むタイミングによって料金が違う。
座席指定をするなら①のタイミングが一番安い。
座席指定をしないとどうなるか。エアアジアのサイトには「座席指定の事前予約をされなかった場合は、チェックイン時にランダムに座席が割り当てられます」と書かれている。
エアアジアでは出発14日前(便によっては10日前)からウェブチェックインができる。座席指定をしなかった場合には、ウェブチェックインの時点で自分の席を知ることになる。
ウェブチェックインをしなかった場合は、出発当日、チェックインカウンターで座席を知らされる。
「子供連れだから配慮してくれる」は甘い考え
エアアジアを利用する時は「子供連れなんだから、お金を払って座席指定をしなくても、隣り合った席を確保してくれているはず」なんて思ってはいけない。私は何度も隣同士にならなかった経験がある。近くではあったけれど。
ランダムに割り当てられた席が隣同士ではなく、変更したい場合について考えてみよう。
AとB、2人での旅行の場合
Aの隣の席、あるいはBの隣の席があいていれば(予約が入っていなければ)、どちらか1人が座席指定の料金を払って、もう1人の隣の席に移動すればいい。
しかし、ABどちらも隣の席があいていない場合は、2人分の座席指定の料金を払って、2つ並んであいている席に移動することになる。
3人での旅行の場合も同じで、3人分の座席指定の料金を払って、3つ並んであいている席に移動、ということもある。
成田-バンコクなら片道で、1,929円×3人分=5,787円だ。
並んで座りたければ座席指定を
絶対に家族全員、あるいはグループ全員、並んで座りたいという場合には、予約時に座席指定をしておく。
節約したいので座席指定はせず、割り当てられた席を見てから考える、という場合は、なるべく早めにウェブチェックインをしたほうがいい。
ウェブチェックインをしないで、当日、空港のカウンターでチェックインをすると、すでにどの席も埋まっていて、移動できる席がない場合もあるので注意。
座席の種類、エリアによって
座席指定の料金が異なる
エアアジアには、スタンダードシート、ホットシート、プレミアムフラットベッドという3種類の座席がある。
スタンダードシートは、いわゆるエコノミークラス席で、ホットシートはスタンダードより足元のスペースが広い席だ。
プレミアムフラットベッドはビジネスクラスという位置づけで、リクライニングするとフルフラットベッドになる、ゆったりとした座席だ。 エアバスA330(A、Cタイプ)にだけ配置されている。
座席の種類 | 特徴 |
スタンダードシート (標準座席) | エコノミークラス席 |
ホットシート | スタンダードシートよりやや広い席 |
プレミアムフラットベッド | フルフラットベッドになる広い席 |
この他、エアバスA330(A、Dタイプ)には、静かに過ごしたい人向けに、機内前方にクワイエットゾーンと呼ばれるエリアがある。このエリアの席を指定することもできるが、10歳未満の子供連れは利用できない。
また、エアバスA330には機内後方に2列席があり、ツインシートと呼んでいる。標準座席より座席指定の料金が少し高めになっている。
座席の種類についてはAirAsiaのサイトの「座席選択」のページで詳しく紹介されている。
予約するフライトが決まったら、まず使用機材(航空機の機種)を調べよう。それから、その使用機材の座席配置図を確認する。
エアアジアのフライト検索画面で出発地・到着地と日付を選ぶと、選択可能なフライトが表示される。赤字で表示されたフライト時間の周辺をタップすると、使用機材(エアバス330 、エアバス320など)と、便名がポップアップで表示される。
使用機材によって座席の配置が異なるので、自分の便の使用機材をメモしてから座席図をチェックしよう。
現在は、日本の国内線ではエアバスA320、名古屋(セントレア)-台北(桃園)も同じくA320 、それ以外の路線ではA330が使われている。
各機材の座席図はAirAsiaのサイトの「座席選択」のページに掲載されている。
航空券を予約したら次はホテル選び。宿泊料金を安くおさえる方法をチェックしておこう。
エクスペディアは本当に安いのか:航空券+ホテル予約の値段を検証 agodaとは:ホテル予約の基礎知識とagodaがおすすめの理由支払い手数料
エアアジアの支払い手数料については、「取り扱い手数料」の欄に書かれている。この欄には、この他に払い戻し、予約サービス料ついての説明もある。
最初に書かれている払い戻し(1名様・1区間ごと)とは、フライトをキャンセルした時に支払う手数料だ。AirAsiaでは、キャンセルしても航空券代は戻ってこないし、片道500円の手数料も支払うことになる。
予約サービス料(ゲスト1人あたりの予約)とは、コールセンターや空港のカウンターで予約した場合に支払う手数料だ。
クレジットカードの手数料
成田-バンコクの検索結果を見ると、手数料(クレジット、デビット、チャージカード)(1名様・1区間ごと)が800円となっている。単に「手数料」と書かれているだけだが、これが「支払い手数料」(チケット代を支払うために必要な手数料)になる。
1名・1区間ごとに800 円ということは、成田–バンコクの片道で、クレジットカードの手数料は1人800円ということだ。
往復なら800円×2区間=1,600円
家族3人分だと1,600円×3=4,800円になる。
その他の支払い方法
エアアジアではクレジットカード以外の支払い方法も選べるが、それがとてもわかりにくくなっている。どんな支払い方法をすると、どのくらい支払い手数料がかかるのか、どこにも表示されていない。
エアアジアの「お支払い方法のページ」を見てみると、クレジットカードのほかに5種類の支払い方法が表示されている。
ウェルネットとは決済サービスのことで、コンビニ払い、インターネットバンキング、ATMでの支払いができる。
UnionPayは銀聯カード(ぎんれいカード)のことで、中国で広く使われているデビットカードのようなものだ。 三井住友銀聯カードなど、日本でも作ることができる。
E- ギフトバウチャー (E-gift バウチャー )とはネット上で使える商品券のことだ。エアアジアのサイトで「今すぐ購入」ボタンを押しても「ご利用がありません」と表示されるので、今は利用できないようだ。
BIGポイントはエアアジアのマイレージに当たる。
楽天ペイは2019年12月から新しく導入された決済方法で、楽天IDに登録したクレジットカード情報を利用してチケット代を支払う。
エアアジアのトップページからフライト検索→フライト選択→アドオン→ゲスト情報→お支払いと進むと、やっとここで支払い方法ごとの手数料を確認できる。
支払い方法 | 手数料 |
1. 楽天ペイ | 1人150円 |
2. クレジットカード/デビットカード | 1人・ 1区間800円 |
3. コンビニ/その他の支払い(ウェルネット) | 1人・片道650円 |
4. BigPay MasterCard | 無料 |
5. UnionPay (銀聯カード) |
1人150円 |
- 楽天ペイは片道でも、往復でも、乗継があっても、手数料は1人当たり150円。
- クレジットカード/デビットカードの支払い手数料は、成田-バンコクの場合は1人・1区間800円だが、バンコク-プーケットは1区間500円と少し安くなっている。
- コンビニ/その他の支払いとは先ほどのウェルネットのことで、これを選ぶとATMやインターネットバンキングでも支払える。支払い手数料は1人当たり片道650円で、乗継があっても同じ650円だ。
- 「BigPay MasterCard」という選択肢もあり、支払い手数料が無料になっている。
これはマスターカードとエアアジアが提携したプリペイドカードで、マレーシア在住者だけが利用できる。 - UnionPay(銀聯カード)は楽天ペイと同じで、片道でも、往復でも、乗継があっても、1人当たり150円。
ただし、エアアジアでは頻繁に支払い方法と手数料が変更されるので注意。2022年9月時点では、楽天ペイ、ウェルネットでの支払いができなくなっている。
支払い手数料が無料に
エアアジアグループでは現在、支払い手数料の無料化が進められているが、まだ無料になっていない路線が多い。下の表は、各路線の支払い手数料の一覧だ。
クレジット カードなど |
コンビニ など |
楽天ペイ |
日本-マレーシア マレーシア国内線 |
||
無料 | 無料 | 無料 |
日本-バンコク | ||
1人1区間¥800 | 1人片道¥650 | 1人¥150 |
関空-ホノルル | ||
無料 | 1人片道¥650 | 1人¥150 |
関空-台北 | ||
1人1区間¥600 | 1人片道¥650 | 1人¥150 |
関空-マニラ | ||
1人1区間¥500 | 選択不可 | 1人¥150 |
日本-クアラルンプール経由-バリ 日本-バンコク経由-プーケット |
||
日本-経由地 1人1区間¥800 + 経由地-目的地 1人1区間¥500 |
1人片道¥650 | 1人¥150 |
- エアアジア(AK)
- エアアジアX(D7)
※マレーシア発着便のみが対象
日本各地(札幌・羽田・成田・関空・福岡)からクアラルンプールへの便は、エアアジアXが運航しており、既に、全便の支払い手数料が廃止されている。
日本からクアラルンプールを経由して、エアアジア(AK)でマレーシア国内に飛ぶ場合も支払い手数料は無料。
例:日本-クアラルンプール-ペナン
日本からクアラルンプールを経由して、マレーシア以外の国へ飛ぶ場合には、従来どおり支払い手数料がかかる。
例:日本-クアラルンプール-バリ(デンパサール)
- タイエアアジアX(XJ)
- フィリピンエアアジア(Z2)
- タイエアアジア(FD)
- インドネシアエアアジア(QZ)
- エアアジアインディア(I5)
日本各地(札幌・成田・名古屋・関空・福岡)からバンコクへの便は、タイエアアジアXが運航しており、支払い手数料がかかる。
クレジットカードに比べて支払い手数料が安いコンビニ払い、ATM、インターネットバンキングでの支払いだが、この支払方法は、エアアジアの3つのモバイル用アプリ、AirAsia、AirAsiaGo、AirAsia BIG LOYALTYでは選べない。
まとめ:手数料を安くするには
- 航空券を予約する前に「荷物の重さがどれくらいになるか」「座席指定をするか」を決めておく
- できれば荷物は機内持ち込みだけにする(1人7kg以内)
- 預け入れ荷物、座席指定などを申し込む場合は、航空券の予約と同時に申し込む
- 預け入れ荷物がある場合は、バリューパック(預け入れ荷物、座席指定、機内食などがパックになったもの)の申し込みも検討する
»バリューパックについて詳しく見る - 一番手数料が安い支払い方法を選ぶ
エアアジアの手数料を攻略すれば、アジアの国々へ国内旅行より安く行けるというのが実感だ。少し手間はかかるが、LCCを使いこなして世界を旅しよう。